RESEARCH

触覚の記録と再生の実現に向けた研究や五感刺激が生活に及ぼす影響の研究を行っています。また、それらの研究にもとづいたバーチャルファッションシステムやウェアラブルインタフェースに関する研究に取り組んでいます。


触覚の記録・再生

触覚情報を記録し再生することを目指しています。現在、視聴覚情報である映像と音声は、ビデオカメラとマイクで記録しテレビとスピーカで再生できています。このような記録と再生を、触覚においても実現する、ということです。
佐藤研では、触覚情報の中でも特に、衣環境に関わる情報の記録と再生技術について研究を行っています。たとえば、布の質感や着心地の再現技術についての研究が挙げられます。この技術を応用すれば、インターネットショッピングにおいても実際に布地を触り、試着してから服を購入することができます。
その一方で、人の触知覚特性の解明にも取り組んでいます。人が触覚を感じるメカニズムはいまだに明らかにされていません。しかし、この知覚特性を理解しなければ、触覚の再現は極めて困難です。そのため、知覚特性の解明と触覚の記録・再現装置の開発の両面から研究に取り組んでいます。

■具体的な研究例

・触感伝送モジュールの開発
振動刺激、温冷刺激、経皮電気刺激などを組み合わせることで、従来よりも多様な触感を記録・再生できる小型モジュールの開発に取り組んでいます。 また、開発したモジュールを用いて、「ぬめり感」など従来の装置では困難だった感覚の再現手法を検討しています。
(JST ACCEL「身体性メディアプロジェクト」として、東京大学、慶應義塾大学、電気通信大学、アルプス電気株式会社、日本メクトロン株式会社と共同で研究しています。)

・温冷感再現技術
人の温冷感知覚特性を利用し、温刺激と冷刺激を空間的に分割した刺激により、高速に温冷感を知覚させる装置を開発しています。 装置の小型・軽量化、低消費電力化の効果が期待できます。
また、指先の側面を刺激することで指先腹部に温冷感を錯覚させる装置を開発しています。 実物体から得られる温冷感を拡張でき、プロトタイピングや感覚増強などへの活用が期待できます。

・温冷感知覚メカニズムの解明
温冷感再現技術を応用して、動的に変化する皮膚の温度を人がどのように知覚しているのか、快適性にどのように影響するのかを解明する、基礎研究を行っています。

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五感刺激の効果

視覚や触覚、嗅覚など五感から得られる刺激は、外界の情報を取得するだけでなく、感情などの心理面に影響を及ぼすことが知られています。
佐藤研では、この五感刺激の心理的な影響を調べています。例えば、人の感情や相手の印象を好ましい方向に変化させる、効果的な温冷感刺激や香り刺激の与え方を検討しています。こうした研究成果は、感性豊かな生活を支援するウェアラブルインタフェースの設計に応用します。

■具体的な研究例

・局所的温冷刺激による血流促進効果の活用
身体の一部に温冷刺激を提示することで血流量を増加させ、体温の上昇をもたらすことが知られています。 この効果を活用して、例えば下肢への温冷刺激によりウォーミングアップ効果をもたらす、顔への温冷刺激により美容効果をもたらす、などが期待できます。 こうした局所的な温冷刺激の効果について検討しています。

・音楽鑑賞に温冷感を付与した場合の情動性の変化
温度感覚の再現技術を音楽鑑賞に応用し、音楽の印象を変化させる研究です。例えば、曲のサビの盛り上がりに合わせて耳元を温めることで、高揚感を向上させることができます。

・香水の違いによる印象評価の変化
香りによる印象が、服装の外観の印象や、触り心地に及ぼす影響を明らかにすることで、香水や柔軟剤などの香りの使い方に関する知見を集めています。

・布地がもたらす触動作の変化
布地の物性や触感が触動作にもたらす影響を調べることで、タッチコミュニケーションを促進する衣服の実現可能性を検討しています。

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バーチャルファッションシステム

現在のバーチャル試着システムは、人の動きに合わせてCGの衣服を映し出し、視覚的に衣服の良し悪しを確かめるシステムです。このシステムに触感を再現する装置を応用し、実際に衣服を着ることなく着心地や触り心地も評価できるバーチャル試着システムの実現を目指しています。

■具体的な研究例

・バーチャル試着システムの要件調査
バーチャル試着システムに求められる要素を、アンケート調査により分析し、理想的なバーチャル試着システムの設計に取り組んでいます。

・湿り感再現手法の検討
布地に触れた時の皮膚温度変化に着目し、布地の湿り感を再現する手法を検討しています。

・視覚刺激を活用した布の触感再現の検討
タッチパネル上の指の動作に合わせて表示する布を変形させることで、錯覚的に布の触感を提示する手法を検討しています。

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また本学には、大画面の映像ディスプレイや高精細ビデオカメラ、広域3次元動作計測機を所有しています。これらは、人の動作解析や、等身大人物像のリアルタイムの記録・再生が可能です。研究においてはこうした最新の技術も活用できます。